立涌文

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立涌文(たてわく、たちわく、たちわき)

向かい合った二本の曲線で、瓢箪のように中央は膨れ、両端がすぼまった形に構成した幾何学文様。水蒸気がゆらゆらと立ち涌いて登っていく様を文様にしたものとされている。また、中国からこの種の形式の唐草が日本に伝来し、平安時代に入って和風化したものとの説もあるが、いずれも解明はされていない。平安時代以降は、波形の曲線が膨らんだところに雲や波・藤を入れた雲立涌・波立涌・藤立涌は有識文様として使われ、能装束にも取り入れられた。


参考文献:視覚デザイン研究所・編集室『日本・中国の文様事典』(視覚デザイン研究所 平成12年1月20日)、藤原久勝『キモノ文様事典』(淡交社 2001年5月)、岡登貞治『新装普及版 文様の事典』(東京堂出版 平成元年9月30日)