福富草紙

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ふくとみそうし


画題

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解説

画題辞典

室町時代の物語なり、昔京都に高向秀武なるものあり、年老ひ貧しかりしに、妻の勤めによりて道祖神を祈りしに、小柑子ばかりの鐵鈴を賜はると霊夢あり、妻併せて曰く身の内より声出でてそれが為めに幸あらんと、是より可笑しく屁ひることを覺え、某中藩に召されて綾錦黄金賜はり、福人となりたり、之を隣に佳める七條の坊長福富といふが聞きて痛く羨み、その妻、夫にすゝめて秀武が弟子となしたるに、秀武欺きてけにごしをすかせたりしにより、福富は糞まき散らし散々に打懲らされて歸りたり、妻痛く憤り秀武を呪ひさいなむを一巻の趣向となす。土佐隆成筆絵巻二巻(京都妙心寺塔頭春浦院所蔵)土佐光信筆絵参二巻(秋元子爵所蔵)

(『画題辞典』斎藤隆三)