生唼

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いけずき


画題

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解説

東洋画題綜覧

名馬の名、佐々木高綱が此の馬に乗つて宇治川に先陣の功を樹てたので有名である。

生唼とは黒栗毛の馬、高さ八寸、太く逞しきが尾の前ちと白かりけり、当時五歳、猶もいでくべき馬也、是も陸奥国七戸立の馬鹿笛を金焼にあてたれば少しも紛るべくもなし、馬をも人をも食ひければ、生唼と名けたり。(中略)佐々木四郎高綱は、生唼に黄覆輪の鞍置、白き轡、二引両の手綱結て舎人六人附て浮島ケ原を西へ向てぞ引せたる、原中の宿を過ぐ、平々たる春野なれば生唼不斜勇み、身振して三声四声啼たり、鐘をつくが如くなりければ、遥二里を隔たる田子の浦へぞ響きたる。  (源平盛衰記三四)

これを描いたものに左の作がある。

伊東紅雲筆  第十回文展出品

松岡映丘筆  片岡孫忠氏蔵

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)