琴棋書画

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きんきしょが


画題

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解説

教養人が嗜む風流事の四芸、琴、碁、書、絵の遊びのこと。文人趣味の画題として好まれ、禅宗寺院の障壁画に描かれることが多い。自然の中の屋外に衝立や机をならべ、四芸に遊ぶ高士の姿で描かれるが、たと...===画題辞典===

琴棋書書は、支那に於て古来四芸と挙げられ、又士君子の余芸とも称せられたるものなり。儒教思想の盛んに普及せし本朝の江戸時代に於ては、初期の頃より侯伯の殿字の襖絵屏風絵等に最も描かれたり、その数極めて多き中にも、

襖貼付四面(京都聚光院所蔵国宝)、

襖貼付八面(京都建仁寺所蔵国宝)、

伝宋劉坦然筆双幅(京都高台寺所蔵)、

伝趙子昴筆三幅対(佐竹侯爵旧蔵)、

伝任月山筆双幅(東京美術学校所蔵)、

雪舟筆六曲屏風一雙(細川侯爵所蔵)、

海北友松筆六曲屏風一雙(山城妙心寺所蔵国宝)、

狩野山樂筆屏風(京都今井氏所蔵)、

狩野探幽筆屏風(秋元子爵旧蔵)、

狩野探幽筆六曲屏風(細川侯爵所蔵)、

岩佐勝以筆一幅(下村観山氏所蔵)、

英一蝶筆六曲屏風一雙(大河内子爵所蔵)、

狩野芳崖筆屏風(島津侯爵所蔵)

等名品と数ふべきものなり。

(『画題辞典』斎藤隆三)

(分類:中国)

東洋画題綜覧

琴、棋、書、画はこれを四芸と称し、支那では古くから高士の余技として盛に行はれた、我が国に於ても、徳川時代に至り儒教思想の伝播と共に、かゝる画材が世人の喜ぶ処となり、或は之を四幅対として、或は屏風に襖絵に画かるゝもの枚挙に遑もない。それは多く士人君子のこれを娯しむ図であるが、浮世絵にもこれに倣ひ高士に擬するに美人を以て、かく題したものもある。その名作左の通り。

雪舟筆              細川侯爵家蔵

海北友松筆   (国宝)     京都妙心寺蔵

伝狩野永徳筆  (国宝)     京都聚光院蔵

任月山筆             東京美術学校蔵

英一蝶筆    (重要美術品)  大河内子爵家蔵

趙子昂筆             佐竹侯爵家旧蔵

狩野探幽筆            川崎男爵家旧蔵

橋本雅邦筆            郷男爵家旧蔵

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)