猿曳

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さるひき


画題

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解説

東洋画題綜覧

猿廻しともいふ、に芸を仕込み、これを背負ひ家々を廻つて猿を舞はしむるもの、『守貞漫稿』に曰く。

猿曳、猿廻しともいふ、江戸は弾左衛門部下也、京坂に出るものは紀州より出ると、然る哉、否哉未詳之、大坂市民葬送及び年忌等の凶事又婚姻及び宅地を買得たる等の吉事、坐頭に大略三百銭を与ふ、猿引には吉事には与之凶事には不与之を制とす、江戸は吉凶共猿引に不与之、坐頭には吉凶とも与之事大略二百文也、江戸は猿引甚だ多く毎日十数人来り乞ふことあり、京坂は甚だ稀なり、三都共に共扮古手巾をかむり、弊衣を着し二尺許の竹を携ふ、大名等に召さるゝ者は羽織袴を着す。

猿曳は構図が面白いので、よく画かれる。

雪舟筆    細川侯爵家蔵

狩野尚信筆  東京帝室博物館蔵

松花堂筆   京都孤蓬庵蔵

高嵩谷筆   池田侯爵家旧蔵

橋本雅邦筆  横浜原家蔵

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)