熊野三山

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くまのさんざん


画題

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解説

画題辞典

熊野三山は熊野三所権現にして今の熊野本宮新宮及那智なり、紀州東牟婁郡にあり。本宮は本宮村に鎮座し熊野坐神社といい、崇神天皇十六年の創建、素戔雄尊を祀る。新宮は新宮町にあり、熊野速玉神社といい、景行天皇の御宇の造営、速玉之男神を祀る。那智は那智山にあり、熊野夫須美(くまのふすみ)神社といい、仁徳天皇の御宇の創建、伊佐那美尊を祀る。中古以来、僧家専ら本社を管し、本地垂跡の説に拠り、本宮を証誠殿と称え、本地阿弥陀如来となし。新宮那智を両所権現といい、本地を観音勢至の両菩薩となしたり、之を合せて熊野三山とも、又熊野三所権現ともいう。平安朝の末より鎌倉時代まで上下の尊崇極めて厚く、宇多法皇の御世に始まりて辺僻行歩困難の地にありながら累代尊貴の参拝甚だ繁く、鳥羽、後鳥羽の両法皇の如き数回の行幸ありたり、熊野詣(くまのもうで)と称さる、三山又三所権現を図するもの亦多し。

(『画題辞典』斎藤隆三)