淀河

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よどがわ


画題

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解説

画題辞典

淀河は宇治川の下流にして、伏見、淀を経、大阪に至り海に入る、調ゆる浪華の三大橋も之に架せられ、水上には大船小舟その数多く、江戸時代には八軒屋と伏見との間を通ふ謂ゆる三十石夜船の往末繁し、沿道には謂ゆる淀の川瀬の水車なる風流の仕掛もあり、櫻の宮の如き遊覧の場所もあり、画材として画かるゝ所も多し、円山応挙に淀河西岸図(原六郎氏所蔵)あり、現代にては横田大観長巻あり。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

淀川は琵琶湖に発し瀬田川となり大戸川を合せて宇治川となり山城淀の辺で桂川を合せ淀川となる、『都名所図会』に曰く

淀川は五畿内第一の大河にして六国の水ここに帰会す、河水は常に溶々としづかに流れて難波津へゆきかふ舟は夜とともに絶間もなく城廓の汀には水車ありて波に随ひ翩々とめぐる、領主の茶亭、橋上のゆきき美邃々として足らずといふことなし、淀の水車はむかしよりありて耕作のためとす、秀吉公の室淀殿これに任じたまひしより城中の用となすなり。

かりくらしかた野の真柴折り敷きて淀の河瀬の月を見るかな  公衡

五月雨に岸の青柳枝ひちて梢を渡るよどの河ぶね       隆教

淀川は有名な水車や三十石船や、桜の宮や絵になるものの極めて多い。

円山応挙筆  『淀河西岸図』  原六郎氏蔵

横山大観筆  『淀川絵巻』

富田渓仙筆  『淀の城』    斎藤隆三氏蔵      

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)