流灌頂

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ながれかんじょう


画題

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解説

東洋画題綜覧

密教の法要の一、流水灌頂、流幡灌頂ともいふ、中古以来我国に発達し、現今も盛に行はる、もと旛を灌頂と名くるに就いては旛の功徳を彰はすもので、普通の水陸会に地蔵菩薩の秘法を加味したものであるが、別に典拠のあるものではなく、或は高野山の宥快が灌頂経によつて案出したものとも伝へられるが定かではない、其内容は川の流れに向つて所謂地獄、餓鬼、畜生、修羅、人、天の六道を意味する六本の矢来卒都婆を立て、此の六本の卒都婆に六道能化の本尊たる六地蔵菩薩の種字名号を書き顕はし、幡を造つて施餓鬼壇に懸け、縄で結んだ長い華鬘の紐を水中に浸し、地蔵菩薩の本誓願に縋つて法味を遠く大海に送る、其の塔幡の影は流水に映じ無数の水族は法縁の手綱を便つて大海の救済に浴し、其秘法修行の功徳は遠く流れて一切の群生に及ぼし有縁無縁の亡霊特に難産で死した婦女の霊を脱苦得楽せしむることを得ると伝へらる。  (大日本百科辞典)

宗教的行事の画材として適してゐる。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)