歳の市

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としのいち


画題

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解説

東洋画題綜覧

正月に用ふる品々、注連飾とか若水桶とか、盆栽とかを売る市である。

今明日、(十二月十七八日)浅草寺年の市、今日宝前には修法なし、堂前にて大黒天開運守を出す、当寺境内は云ふに及ばず、南は駒形より御蔵前通り、浅草御門跡前より下谷車坂町、上野黒門前に至るまで、寸地も漏らさず仮屋を補理し、新年の儲けとて、注連飾りの具、夜厨の雑器破魔弓、手鞠、羽子板等の手遊び其の余種々の祝器をならべ、售ふ声は巷にかまびすしく、都鄙の諸人是を求むるを恒例とし陰晴を嫌はず群集する事、更に昼夜のわかちなく、大路に駢闐して東西に道を分け兼ね、縦横に目も配りがたし。  (東都歳時記)

風俗画としてよく画かれ『江戸名所図会』及『東都歳時記』には長谷川雪旦の絵があり、寺崎広業にも之を図したものがある。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)