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かしわ


画題

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解説

東洋画題綜覧

槲は殻斗科に属する落葉喬木で、葉は大きく倒卵形で深い波状の切込みがあり、裏面には褐色の毛を生じ雌雄花を異にし雄蕊は黄褐色を呈し殻斗は浅くして平椀のやうである、幹は粗で縦にひび割れ、葉は永く枝上にあつて翌年新芽を出し、初めて地に落ちる、此の葉を以て餅を包むことは古くから行はれたことであり、又此の樹には、樹木の守護神である、葉守の神が住んでゐるといふ言ひ伝へがあつて古くから和歌などにもよくあらはれてゐる。

かしは木、いとをかし、葉もりの神のますらんもいとかしこし、兵衛のすけ、ぞうなどいふらんもをかし。  (枕草子)

また伊勢神宮の祭礼に三角柏の盃とて二見の東、さらさ島の槲を取ることも古い言伝にある。

絵画には殊によく画かれてゐる処で、その作例など枚挙に遑もない。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)