棕櫚

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しゅろ


画題

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解説

東洋画題綜覧

棕椶、或は棕梠とも書く、棕櫚科の常緑喬木で、日本では対馬、琉球、台湾、九州等に自生を見る、又南清地方にも産し、これを唐棕櫚と呼んでゐる、幹が円柱状を為して高く三丈余に達し、枝を生ずることなく、その梢から大きな円い団扇のやうな葉を出す、葉は長い葉柄を有し、深く幾つにも裂け先が折れる、葉柄の切口は三角形で、その角には極く細い刺がある、雌雄株を異にし、五月から六月にかけて花を開く、花は黄色で無数に集合し同じ色の苞に包まれてゐる、古く『須呂之木』などゝ呼ばれてゐた。

あさまだき梢ばかりにおとたてゝ棕櫚の葉すぐるむら時雨かな  (夫木和歌鈔)

この樹は特色があるので画にもよく画かれる。

荒木十畝筆  『棕櫚と蘇鉄』  第七回文展出品

中倉玉翠筆  『棕櫚林』    第十一回文展出品

吉岡堅二筆  『棕櫚』     第八回帝展出品

常岡文亀筆  『棕櫚』     第十四回帝展出品

松本姿水筆  『同』      第三回日本画院出品

川合玉堂筆  『早春』     第八回淡交会出品

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)