柏木

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かしわぎ


画題

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解説

画題辞典

柏木は源氏物語の一巻なり。此頃月卿雲客を日月星雲霞いろ〳〵の木草などに比喩して呼ぶことあり。衛門督を柏木とはいうなり、此巻、衛門督のことを叙するが故に柏木の巻という。柏木は、女三のことのみ、憂恋いに病みて、万死の内にあり、女三の方へ「今はとてもえん煙もむすほれて たえぬ思の名をやのこさん」その間に、女三の宮は、夕桐の大将を生み玉う、源氏我が子ならねど、人の思わん事思召し、いとおしくもてなす。五十日の祝に、源氏若君を懐きて、女三の前人のなき折に「たか世にかたねはまきしと人とはゝ いかゝいはれの松とこたへん」とよみしかば、いとはずかしく思召すとなり、女三の宮遂に御髪下ろし、入道の宮とはなり玉う。源氏絵の一として此条画かるゝ少なからず。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

源氏物語』五十四帖の一、この巻は源氏四十九歳の二月から秋の末までのことを記してゐる、その頃殿上人などを、日月星辰や草木などの名にたとへて呼ぶことが行はれた、柏木といふのは衛門督のことで、主として此の衛門督が女三の宮に恋ひ焦るゝ条を叙してゐるが、一方では女三官は薫を生み、はては髪を下ろして入道の宮となつたりする、巻の名は次の一節から出てゐる。

御簾の外のへだてあるほどこそ、うらめしけれとて、長押により居給へり、なよびすかたはた、いといたうたをやぎけるをやと、これかれつきじろふ、このあへしらべ聞ゆる、少将の君といふ人して

柏木にはもりの神はまさずとも人ならすべき宿の木ずゑに

源氏絵として、よく画かれる場面である。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)