林和靖

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りんなせい


画題

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解説

画題辞典

林和靖は.宋代の詩人なり、名は逋、字は君復、錢塘の人、廬を西湖の孤山に結んで之に閑居し、喜んで詩を作る。西湖に居ること二十餘年にして、未だ曾つて足一たびも城市を踏まずといふ、常に兩鶴を養ふ、之を縦てば即ち飛んで雲に入る、盤旋久うして再び籠中に歸る、逋舟を泛泛べて西湖の諸寺を訪ふに、不在中客の来るあれば留守の童子鶴を放つを常とす、逋見て客来の験となし、舟に棹して歸るといふ、又最も梅を愛し之を植えて楽む、その梅花を詠するの詩に曰く「疎影横斜水清浅、暗香浮動月黄昏」と、前世梅を詠ずるもの未だ斯くの如き句あらずと称せらる、範文正公、和靖が廬を過ぎリし時、之に贈りし詩に、「巣山不願仕、尭舜豈遺人」の句あり、又「風俗因君厚、文章到老醇」の句あり、激賞されしを見るべし。仁宗皇帝の時に卒す、後世画家の和靖を画くもの、愛梅の図と撫鶴の図と共に多し、古来図せる所二三を擧ぐれば左の如し。

馬逵筆林和靖撫鶴図(秋元子爵旧蔵)

馬逵筆林和靖愛梅図(岩崎男爵所蔵)

盛子昭筆林和靖愛梅図(岸精一氏所蔵)

狩野元信筆林和靖図(東京帝室博物館所蔵)

円山應擧筆林和靖図(植松一某氏所蔵)

狩野芳崖筆林和靖図(川合玉堂氏所蔵)

狩野探山筆(真田伯爵所蔵)

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

林和靖は宋代の高士にして詩人、廬を西湖の孤山に結んで詩作に興じ一歩も湖外に出でず客あれば童子をしてを放たしむるといふ、を愛し鶴を養ひ悠々たる生涯は誠に道釈人物中の好画題である。

林逋字君復、杭州銭塘人也、小孤刻志為学結廬西湖之孤山、喜為詩、孤峭澄淡、居西湖二十年、足未嘗履城市、李及薜映為其州毎造其居、清談終日而去、逋臨終有詩云、湖上青山対結廬、墳前修竹亦蕭疎、茂陵他日求遺草、猶喜曽無封禅書、卒年六十一、初逋客臨江、李諮始挙進士、而未有知者逋謂人曰、此公輔之器也、逋卒、諮適知抗州、為制総服与其門人哭而葬之、刻臨終之詩納元壙中賜諡曰和靖先生。  (東都事略隠逸伝)

林逋隠居孤山、嘗畜両鶴縦之則飛入雲霄盤旋久之、復入籠中、逋常泛小艇西湖諸寺有客至逋所居、則一童子応門、延客坐、為開籠縦鶴、良久、逋必棹小船而帰、蓋常以鶴飛為客至之験。  (世説新語補)

林和靖を画くもの極めて多く後素集には『林逋放鶴図』『和靖騎驢』『和靖雪後看梅』『和靖弾琴』『和靖張子双騎』などの画題を載せてゐる。

馬麟筆    (東山御物)    藤田男爵家旧蔵

馬逵筆              岩崎男爵家蔵

狩野孝信筆  (重要美術)    同

中井竹洞筆  (同上)      土屋九右衛門氏蔵

中井竹渓筆            横江竹軒氏旧蔵

英一蝶筆             藤田男爵家蔵

狩野元信筆            東京帝室博物館蔵

円山応挙筆            植松家蔵

菱田春草筆            古殿氏旧蔵

狩野芳崖筆            川合玉堂氏蔵

吉川霊華筆            古殿某氏旧蔵

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)