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すもも


画題

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解説

東洋画題綜覧

李はと同じ薔薇科の喬木で、通常高さ一丈余に達し、花は白色五弁で、弁は梅より細く、大抵一所から三輪づゝ集り咲くを特長とする、葉は細長く、一輪の花に通常約三十茎の雄蕊と雌蕊を有し、子房は黄色、夏、果実が熟すると緑色から紅色となり、光沢を有し白い粉を付けてゐる、種類に巴丹杏あり、牡丹杏がある、その『すもも』といふ名称に就いては『東雅』に李、スモモ、スは酸なり、モモとは桃なり、その実酸くして多きをいふなり、倭名抄麦李は熟する時に熟す故、以て之を名づく、漢語抄にサモヽといふ、兼名苑注に青房は五月熟する李なりといふは是なりと註したり、サといふは早きなり、其熟することの早きなり。

とある、漢名また玉華、鼠精がある、李花は昔から賞美せらるゝ処、詩歌に現はるゝことも極めて多い。

きえがての雪と見るまでやまかつのかきほのすもも花咲きにけり  民部卿為家

山かつのころもほすてふかきほかと白きを見ればすもも花咲く   正三位知家

漢詩に李を賦したものは極めて多い。

     李花         韓愈

平旦入西園、梨花数株若矜誇、傍有一株李、花色惨々似含嗟、問之不肯道所以、独繞百匝至日斜、忽憶前時経此樹、正見芳意初萌芽、奈何趁酒不省録、不見玉枝攅霜葩、泫然為汝下雨涙、無由反旆羲和軍、東風来吹不解顔、蒼茫夜気生相遮、氷盤夏薦碧実脆、斥去不御慙其花、当春天地争奢華、洛陽園苑尤分拏、誰将平地万堆雪、剪刻此連天花、日光赤色照未好、明月暫人都交加、夜領張徹授廬同、乗雲共至玉皇家、長姫香御四羅列、縞裙練帨無等差、静濯明粧有所春、顧我未肯置歯牙、清寒瑩骨肝胆醒、一生思慮無由邪。

     読退之李花詩     楊万里

近紅暮看失臙脂、遠白霄明雪色奇、花不見桃惟見李、一生不暁退之詩。  (事文類聚)

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)