新薄雪物語

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しんうすゆきものがたり


総合


歌舞伎

浄瑠璃、三段、時代物。文耕堂・三好松洛・竹田小出雲等合作。寛保元年(1741)竹本座。 仮名草子の「薄雪物語」の薄雪、左衛門の筋に、正宗・国行・国俊等の名工の物語を挿入し、脚色したもの。上の巻「清水」、中の巻「園部邸相腹」(三人笑い)、下の巻「正宗内」が歌舞伎で上演される。 園部兵衛の子左衛門は清水寺へ太刀奉納のため参詣して、幸崎伊賀守の娘薄雪姫と逢い相愛の仲となる。秋月大膳は正宗の子団九郎に命じて、太刀に天下調伏のやすり目を入れさせる(清水)。そのため左衛門と薄雪は、天下調伏の嫌疑をうけ、互いの親が取りかえて預るが(幸崎館詮議)、兵衛と伊賀守は互いに預った科人を逃がし、申訳に切腹する(三人笑い)。団九郎は父正宗の秘法を盗もうとして片腕を切落され、悔悟して大膳の悪事を自白する。来国俊が正宗から秘伝を教わる。(正宗内鍛 治場)。 新清水花見の場は華麗で、腰元まがきと奴妻平の恋の取持、妻平の立廻りが歌舞伎の様式美を展開する。三人笑いは蔭腹を切った親が、切ない笑を笑う皮肉な演技が見どころ。