常夏

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とこなつ


画題

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解説

画題辞典

源氏物語の一巻に常夏あり、玉蔓の君の住ませ玉ふ西の対という庭に、撫子かずかず植ゑさせて楽しみとせらる、されば此君をなでしこの君ともいうとなり、撫子は常夏なり、源氏絵の一として画かる。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

野生の撫子の異名、花の盛り春から秋に亘るので斯く呼ぶ。  (大言海)

秋深く色うつりゆく野辺ながらなほとこ夏に見ゆるなでしこ  (源順集)

また『源氏物語』一帖の名で、光源氏三十七歳の時のことを叙してゐる、夕顔の娘、玉蔓は西の対の庭に『瞿麦の色をとゝのひたる、唐の倭の架いとなつかしくゆひなして咲きみだれ』たるを愛してゐる、源氏はその花の盛なころ、玉蔓を訪ねる、帖の名は次の一節から取つてゐる。

人々ちかう侍へば、例の戯言もえ聞え給はで瞿麦をあかでこの人々のたち去りぬるかな、いかで大臣にもこの花園見せ奉らん、世もいと常なきをと思ふに、いにしへも物の序に語り出で給へりしも、只今のこととぞ覚ゆるとて少しの給へ出でたるにも、いとあはれなり。

なでしこのとこなつかしき色を見ばもとのかきねを人やたづねむ

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)