やまとさるがく
大和国(現在の奈良県)にある寺社に従属し、その祭礼において芸能(翁猿楽)奉仕を義務とした猿楽を指して言う。興福寺薪猿楽(こうふくじたきぎさるがく)が始行されたと推定される平安時代中期から活動していたと考えられ、その歴史は古い。
大和猿楽には複数の猿楽集団が存在したことが知られるが、後に結崎・外山・坂戸・円満井の四つの座が、大和国に強大な権力を有した興福寺に所属し、大和猿楽を代表する座となっていった。