へんげもの
一外題の歌舞伎舞踊の中に二種以上の舞踊を組み、連続して踊るものをいう。 踊りが変る度ごとに扮装を変えて役柄を踊り分けるので、この名称でよばれる。多いのは十二変化まであるが、五変化、七変化が一番多い。変化もののはじめは、元禄の水木辰之助の「七変化」であるといわれているが、最も盛んになったのは歌舞伎の爛熟期である文化支政の頃で、引抜き、早変りのケレンを応用し人気を呼んだ。音楽も長唄、常磐津、富本、清元などが用いられる。例えば鷺娘、汐汲、駕屋、保名など。