十一面観音
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じゅういちめんかんのん
画題
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解説
画題辞典
六観音の一にして大光普照観世音ともいう。頭上に九面あり、更にその頂上に一体の観音あり、合せて十一面を有す、阿修羅界を化益せん為めに出現せりという。本朝にては奈良朝の昔より除病滅罪求福の為めに信仰せらる、前の三面は即ち慈悲の相、左廂の三面に忿怒の相、右廂の三面に牙なり、而して善を見て悦び悪を見て嘲る、本体正面の相は不笑不瞑の相にして善悪不二を表はす、各名刹所蔵にして国宝に指定されたるもの左の数点あり。
京都観智院所蔵一幅、攝津金心寺所蔵一幅、播磨太山寺所蔵一幅、讃岐志度寺所蔵一幅
京都禅林寺、金蓮寺にも各名作あり。益田男爵蔵のものは井上侯爵の旧蔵にて藤原時代の作品なり。 ・
(『画題辞典』斎藤隆三)
東洋画題綜覧
大光普照観世音ともいふ、此の観音は身長一尺三寸で十一面を有し、左手には紅蓮華右臂には数珠をかけ施無畏の印を結ぶ、十一面の中当前の三面は慈悲の相、左辺三面は瞋怒の相、右辺の三面は白牙を現はし善を見ては喜び、悪を見ては嘲笑する、後の一面は暴悪大笑相、頂上の一面は仏面で正法明如来を表はしてゐる、我朝では奈良朝時代から信仰せられてゐる。
各所に蔵する所多いが
京都観智院蔵
摂津金心寺蔵
播州太山寺蔵
讃岐志度寺蔵
等の諸作有名で何れも国宝である。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)
かんのん「観音」の項を見よ。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)