丿貫
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へちかん
画題
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解説
東洋画題綜覧
茶人、山城の国山科に住み千利休と時を同じくして茶事を以て聞え、異物を貯へその雅趣を愛でたが利休と合はず、嘗て人に語つて曰ふ、利休は幼にして余と善く、性もと謹厚、然し今その為すところを見るに軽薄殆んど別人のやうである、蓋し人は三十年毎に一変するもの吾また四十にして始めて脱塵の志あり、惜しむらく利休、その盛なるを知つて其の衰ふることを知らずと、幾もなくして利休は太閤の忌諱に触れて自匁するに至る、誠に丿貫の言の通りであつた、丿貫臨終にその書いた処の詠歌を購ひ之を焚いて曰ふ、文字は身と共に滅すべきものであると、丿貫ある日、茶に利休を迎へた、然も予め大きな穴を掘り上を蔽ひ土を散らす、利休来つて忽ちその穴に陥る、丿貫謝して先づ一浴を乞ひ、衣を更へて茶室に迎へた、後、利休人に語つて曰ふ、或る人余に告ぐるに穴のことを以てす、然し、その計に陥らなければこれ主人の好意を無にするものであると。 (茶人系伝全集)
丿貫を描いたものに
富岡鉄斎筆『休師訪丿貫図』(坂本光浄氏蔵)がある。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)