和歌懐紙

08 後水尾天皇宸翰和歌懐紙 一幅 (二九、七×四四、八)
後水尾天皇(一五九六〜一六八〇)は後陽成天皇の第三皇子、母は近衛前久の女前子(中和門院)。在位は一六一一年〜二九年。
父後陽成天皇との確執は最後まで解けることなく、また江戸時代初期のむずかしい朝幕関係のなかで、さまざまな腐心を余儀なくされた。
しかし天皇は文芸や学問を好み、また書画にも堪能であった。
退位後は修学院離宮を営み、住んだ。その書風は父の豪壮な書風とは対極にある繊細なもので、この書風は以後、後西天皇や霊元天皇などに受け継がれる。
なお本懐紙の和歌は、いずれも天皇の『後水尾院御集』に収録されている。