長谷川貞信
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長谷川貞信(現在5代目まで襲名)
一般に、上方の浮世絵では役者絵が圧倒的に多が、代々の貞信は風景画も多く残している。これらは古き良き大坂の風景が窺えるものが多く、「大阪」の歴史や文化の研究に資するところ大である。また、風景画ばかりでなく武者絵や玩具絵など多岐にわたる分野にその足跡を残している点も殊に注目される。上方の絵師は、江戸とは異なり、代々画名を襲名することは珍しいが、長谷川貞信の名は文政(1820年代)から今日まで歴代に受け継がれてきた。初代は、文政中期から活躍、役者絵と風景画を手がけ、天保以降の上方絵の様式を確立した絵師。子の二代目は明治の浮世絵界に君臨、孫の三代目もこの様式を守った。四代目は1999年5月死去したが、ご令嬢が五代目を襲名した。
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