岡本秋暉

岡本秋暉:1807(文化4年)~1862(文久2年)

 濃厚華麗な花鳥画、とりわけ孔雀の名手として名を馳せた江戸後期の画人。彫金家・石黒家の次男として生まれた秋暉は、南蘋派の大西圭斎に画を学び、20代から絵師として活躍していた。一方で小田原藩・大久保家に仕える藩士としての顔も持ち、江戸中屋敷での見回り役を務めながら精力的に制作を続け、同時期に活躍した渡辺崋山や椿椿山らと親交を結んだ。彼が最も得意としたのは鳥の図。懇意の小鳥店に通い写生に励んだという逸話もあるほど、鳥の描写をひたすらに研ぎ澄まし、透明感溢れる華やかな色彩と、羽の美しさを描き尽くす驚異的な技巧で江戸の人々を魅了した。

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