- 申請者所属、氏名:
- 立命館大学 衣笠総合研究機構
三上 総太
- 連絡先電話番号(内線/携帯):
- 指導教員所属、氏名(事業推進担当者):
- 立命館大学 教授
木村 一信
- 申請した助成金:
- 若手研究者助成金
- 1. 助成執行概要とその効果
- 本助成は2009年12月20日、日本アーカイブズ学会「帝国の拡大とアーカイブズ」の参加費として執行された。ここでは主に、公文書としてのアーカイブズを使った研究報告が行われたが、特に今回はアーカイブズのもつ「文書制度」としての側面が問題化され、植民地化にともなう支配システムの拡大、あるいは脱植民地化以降の変遷/残存を読み解くという方法論が提起された。近代の日本が蓄積してきたアーカイブズは、現在の『アジア歴史資料センター』にその一端を垣間見ただけでも、その膨大さには圧倒される。これらをデジタライズし、どのような研究に役立てて行くのか、その問題意識を共有できたことは、本助成の成果であったと思うし、デジタル・ヒューマニティーズが担っていく課題でもあるだろう。
- 2. 申請書記載の計画・目標に対する進捗状況
- 本助成の執行については、期せずして得た成果も多かったと考えている。というのは、この新しい領域であるアーカイブ学だが、実践報告を聞いてみると、ほとんどの研究者が近代史学の方法に依拠していることがわかる。しかし言説研究という意味では、文学研究もアーカイブ学の一端とみていいはずであり、実際その内容は似通っていると感じた。
われわれの研究班が行っている<外地>文学研究は、作品内の言説の中から<外地>という場の特殊性や問題性を考察してゆくことを主としている。私は現在、<外地>で展開した阿片問題がいかにして文学の中にえがかれてきたかを調査しているが、こうした作業の中にはアーカイブ(この場合は「非図書資料」全般を指しておくが)のクリティークが自然と組み込まれていると言ってよい。してみるに、このアーカイブ学へは文学研究の領域からもアプローチされていいわけである。
このことは、私の今後の研究計画に、さらなる広い視野を用意し、デジタル・ヒューマニティーズの可能性を一歩進めることになるだろう。