Reports on “Digital Humanities Center for Japanese Arts and Cultures” Center Grants for Young Researchers to Support Their Research Activities


Ryoko Matsuba

Kinugasa Research Organization, Ritsumeikan University Postdoctoral fellow

Research activities: Overview and implications: 2月、3月中にアルバイトを一名雇用し、2004年以降刊行の、歌舞伎研究と批評、芸能史研究、演劇研究、およびImpression、Andonなど国内外の文献資料について、資料スキャニングを行いPDF化した。これらの演劇研究および、美術研究に関連する文献資料は、文献資料データベースとして研究室内で共有化されている。特に、Andonなど海外のジャーナルについては、会員のみに配られるもので、国内で閲覧することは難しかったが、2007年のオランダ個人コレクション調査をきっかけとして古いバックナンバーを入手することができ、今回それらがすべてPDFでみられるようになった。今後、海外の雑誌に投稿する機会が増える本拠点の若手研究者にとっては有効な文献となることが予想される。

Progress and effects in your overall research plan and objectives: 本計画は、様々な角度から資料を蓄積し、共有化させることで、自分が専門とする分野以外の研究内容、素材を得られる環境の充実化をはかり、近世期の視覚文化に関連する議論を総合的に深めるということを目的としている。今回目標としたのは、申請者自身がもつ資料のデータ化で、文献資料についてはすべての作業を終えることができた。しかしながら、国立国会図書館、都立中央図書館、名古屋市立蓬左文庫の絵手本類を中心とした紙焼資料のデータ化はまだできていない。研究室には、絵手本以外にもデータ化されていない資料が散在している。紙焼資料については、同じ資料を同じプロジェクトのメンバーが重ねて複写申請などすることのないよう整理し、データ化、共有化させることは必須である。ARCのデータベースにはそのような資料についても、共有化できるシステムがすでにある。今後は、個人レベルではなく、プロジェクト全体でデータ化の作業をすすめ、上記の目的を成し遂げることが望まれる。

Advisor: Ryo Akama / Ritsumeikan University