Reports on “Digital Humanities Center for Japanese Arts and Cultures” Center Grants for Young Researchers to Support Their Research Activities


Toshikazu Seto

Kinugasa Research Organization, Ritsumeikan University Research Assistant

Period when you used the grant: 2009/11/11 - 2009/11/15

Research activities: Overview and implications: 本助成金は、11月11日から15日までアメリカ合衆国カリフォルニア州ロングビーチ市「Hotel Queen Mary」で開催された「34th Annual meeting of the social science history association(SSHA)」における研究発表の渡航費用として執行した。
 SSHAは社会科学史研究をバックグラウンドとして4日間にわたって開催され、延べ120を超えるセッションが設けられた。そのうち25のセッションは、Historical Geography(GIS)に関するものであった。
 研究発表やその後のディスカッションでは、近代京都の時空間情報をあらゆる側面から地図化・分析する本研究が高く評価され、京都の景観復原プロジェクトの今後の展開に期待する声も多かった。特に時間的変遷を伴った地理現象(例えば、京町家や文化財建造物)の解明について、モデル化による研究の必要性が指摘された。本カンファレンスでは、社会史や地理学以外にも、歴史学・歴史人類学の研究者が多く参加し、空間表現手法や分析のあり方について、他分野の研究者と討議・交流できた。

Progress and effects in your overall research plan and objectives: 申請時に示した目的・計画は、おおむね達成できたものと考えられる。とりわけ、社会科学史という広範な分野における Historical GIS の国際的な研究動向や立場について、多くの知見を得ることができた。
 歴史地理情報研究の分析手法や国際的な発信に向けては、本カンファレンスの研究事例でも取り上げられていたように、最新のGIS Technology を使いつつも未だ試行・実験段階のものが多く、地理学以外への近接分野や社会に対してわかりやすい・使いやすいツールやインターフェースが求められている。
 係る課題については、申請者個人だけでなく、歴史地理情報研究班の進めるバーチャル京都研究の中でも議論されており、今年度から来年度にかけて重点的に取り組む予定である。

Advisor: Keiji Yano / Ritsumeikan University