若手研究者助成金 執行報告


加茂 瑞穂

立命館大学 衣笠総合研究機構 

助成年度: 2013年度通年募集(申請番号: 2013WYYR07)

執行期間: 2013年09月29日から2013年10月13日まで

助成執行概要とその効果: 
大英図書館においても資料調査及び、大英博物館での版本デジタルアーカイブに関わる渡航費用・滞在費用を助成対象として申請した。
9月30日~10月3日 大英図書館版本調査
10月4日・5日 大英博物館春画展シンポジウム
10月7日~10月11日 大英博物館デジタルアーカイブ

申請書記載の計画・目標に対する進捗状況: 
大英図書館所蔵資料の調査をおこなった(江戸時代の「小袖雛形本」、近代以降の図案集等デザイン関連の版本)。日本部司書である大塚靖代氏に資料の紹介をしていただき、調査を進めた。当初から予定していた日本では所蔵が確認されていない小袖雛形本を調査することができた。加えて、大塚氏の紹介で、近代の図案・デザイン関連の本を閲覧することができた。国内では近代の図案集が所蔵不明な場合やデジタル化が進められ原本を閲覧することが難しい場合もある。今回の調査では、国内では閲覧が困難な資料も原本で閲覧し、摺りの状態など資料の詳細まで調査することができた。今後は画像資料も合わせて入手し、図案集や小袖雛形本に描かれる意匠を考察、分析していきたい。
大英博物館Symposium Sex art in Japan : perspectives on shunga・Special public lecture(Timon Screech)へ出席した。大英博物館の企画展に際したシンポジウムでは、春画の特徴や現代における春画をどのように展示し、理解を深めていくべきかさまざまな角度からの研究報告があり、活発な議論が交わされた。
 大英博物館所蔵の版本撮影をおこなった。2010年度から継続している版本の撮影は、今回近代の図案集などが中心となり、今年度末の撮影終了に向けて進展した。今回の撮影分には明治期の図案集も含まれており、申請者が対象とする研究に役立つ資料を閲覧することもできた。今後、画像も入手することによりさらに詳細な研究が可能となる。

指導教員: 赤間 亮 / 立命館大学 教授