若手研究者助成金 執行報告


松本 文子

立命館大学 衣笠総合研究機構 ポストドクトラルフェロー

執行期間: 2010年10月29日から2010年10月31日まで

助成執行概要とその効果: 
申請者は「地域文化資源のデジタル化を通した地域固有文化の創造と発信」を研究テーマとし、「京町家まちづくり調査」および「瀬戸内海国際芸術祭」を事例として、京町家や、現在アート作品といった地域文化資源についての情報に加え、それらに対する地域住民や一般市民の評価をGISによって地図化し、それによって得られる文化資源の蓄積と想像に新たな可能性について分析している。 今回の助成においては、瀬戸内国際芸術祭の開催地域である香川県高松市において芸術祭実行委員会と質問紙調査実施に関する調査を行った。また、堂開催地域の豊島において5人程度の住民へのインテンシブなインタビュー調査を実施する。インタビュー内容は録音し、後日テキスト化して分析する。

申請書記載の計画・目標に対する進捗状況: 
第一に香川県小豆島町において「財団法人文化・芸術による福武地域振興財団」による助成を受けた今年度の研究について中間報告を行った。この中では、助成を受けているアートプロジェクトの関係者が集まっており、アートプロジェクトに対する地域住民の評価についての研究の存在を公表し、その後の交流によって多くの関心を集めることができた。また、同場所において瀬戸内国際芸術祭についての住民への質問紙調査実施に関して実行委員会等の芸術祭主催者と調整を行ったが、今年度中の質問紙調査は断念することとなり、来年度以降へ延期することとなった。ただし、申請者の実施予定の調査に対して主催者の理解を得たとともに、主催者側の所有するデータをもらう等、今後協力して調査を実施することとなった。また、3名の住民に対してインテンシブなインタビュー調査を行い、地域の背景と芸術祭との関わりについての情報を収集することができ、次回以降の調査へ大きな布石となった。以上を持って申請書に記載した助成執行の目標を達成し、執行完了とする。

指導教員: 矢野 桂司 / 立命館大学 教授