佐々木高綱

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ささきたかつな


歌舞伎

戯曲、一幕。岡本綺堂作。大正三年(1914)十月、二世市川左団次により初演。 佐々木高綱は、数々の戦功をたてたが、その功に対して何の沙汰もしない頼朝に対して、大きな不満を抱いていた。ある日訪れた僧に、かつて石橋山の戦の際、馬士を殺してその馬を奪ったことを懺悔し、その後世を弔う為、馬士の一子子之助を養っていると語る。物蔭でこれを聞いた子之助は、高綱の心に感じ、今日こそ父の仇を討とうという姉おみわの心に従わない。やがて奥から僧形となってあらわれた高綱は、斬りつけたおみわの手をおさえ、さみしく笑い、高野山へと向う。 大正初期青年のニヒルな思想と合致した高綱の性格がよろこばれ、二世左団次の得意芸。「杏花十種」(左団次の家芸)の一つとしてしばしば上演されている。ささき たかつな