石山寺

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いしやまでら


画題

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解説

画題辞典

石山寺は近江国滋賀郡石山にあり。琵琶湖に近く勢多川の西に当り、怪岩奇石の重畳たる間に堂塔伽藍あり、背後には岩間、笠取、醍醐の翠巒を負い、前面は湖水の波静かなるを一瞰して、眺望亦甚だ佳なり、近江八景の一なる石山の秋月は即ち此処なり。寺は真言宗にして良弁僧正の開基天平勝宝年間の創建にして、本尊は如意輪観音なり、宇多天皇特に崇敬厚く屡々行幸あり、承暦二年火災にかゝり、源頼朝再興す、其後更に淀君の修造あり、荘園を寄せ旧観に復す。石山寺縁起七巻同寺に蔵す。第一、二、三巻は高階隆兼筆、第四巻は土佐光信筆、第五巻は粟田口隆光筆、第六、七巻ほ谷文晁の補なり、国宝なり。風景画として、又近江八景の一として、石山を画きたるもの亦素より少しとせず。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

滋賀県石山村にある名刹、真言宗、天平勝宝年中僧良弁創建、寺域九六四八坪、本堂(藤原時代)、多宝塔(鎌倉時代)、東大門、鐘楼等は特別保護建造物、その他石山寺縁起絵巻をはじめ国宝の古写経など多く聖徳太子の持仏といはれる二臂如意輪観世音を本尊とし、西国巡礼第十三番の札所である、承暦二年焼失したが建久二年再建し、爾来淀君が修理を加へたといふ、源氏の間は寛弘年中、紫式部がこの寺にあつて源氏物語を執筆した所と伝へられる、『石山秋月』として近江八景の一に撰ばれる月の名所である。

都にも人や待つらん石山の嶺にのこれる秋の夜の月  藤原長能

石山寺を画いたものとしては、先づ国宝『石山寺縁起絵巻』がある、紙本五巻で一巻より三巻まで絵は高階隆兼、詞は石山座主果守和尚、四巻は絵を土佐光信が補作し、詞三条西実隆が書き、第五は絵を粟田口隆光、詞を二条為重、六七の巻もあつて飛鳥井雅章の詞書のみ存してゐたが、文化年中松平定信が、谷文晃に絵を補はしめた。  (家庭大百科事彙)

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)