木戸芸者

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きどげいしゃ Kidogeisha


総合


歌舞伎

 江戸期の劇場に存在した座員の一種。「木戸番」を兼ねていた。二人位ずつ木戸の表に立って、開場前から狂言の名題へ節をつけて読み、役割を披露(読立て)し、あるいは声色を使うなどして、表に群がる通行人を観劇に誘導する、一種の宣伝係であった。顔見世その他の儀式の時には種々仕事もあったが、平生はそれ以外に役柄もなく、俳優や看客に随伴して、纏頭のみを心がけるため、昔でも不愉快がられた稼業であった。衣服は俳優の仕送りで、極めて大形な派手な物を着ていた。守田座が明治5年(1872)、新富町へ移転したのと同時にこの役は廃されてしまった。幕末には「読立て」なども無くなり、俳優の送り迎ひが本業となったので、「送り」と呼ばれていた。