天台山

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てんだいさん


画題

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解説

画題辞典

天台山は支那の仙境と数へらるゝ所にして、天台宗の根原地なり、浙江省台州府に在り、超然として秀出して山八重あり、高さ一万八千尺という、路険にして渓水清冷、石橋ありて、径尺に盈たず、下絶冥の澗に臨む、之に登るには或は岩壁に梯し、或は蘿葛を握りて辛うじてすべしという、上に隋の煬帝が宗祖智者大師の為めに建つる所国清寺あり、瓊楼、玉閣、天堂、碧林あり、醴泉亦湧く、古来金庭不死の仙境と称せらる、晋の隠士白道猷曽つて之を過ぎて醴泉、紫芝、霊薬を得、以て不老の妙に通せりという、此仙境を画くもの仏家に多く、亦南画家に少なからず、

近くは田能村竹田所画の名作(京都島村某氏所蔵)あり。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

天台山は支那浙江省台州府にある名山、赤城山、方山、等と共に仙霞嶺山脈中の一峰にかゝる、天台の名は斗牛の分野に当り天の台宿に応ずるが故に名付くといふ、山峰奇秀、渓水深険、山に寺塔多く、中にも国清寺は仏教史上の名刹で、晋の時代から高僧多く留錫修道し、殊に隋の代になつて智者大師此山にあつて法華経に基き天台の教義を組成弘通してから、唐代に於ては南支那に於ける仏教の一大道場となり、我が伝教大師また入唐して此の山に学び、帰朝の後比叡山に日本天台宗を開いた。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)