仏手柑

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ぶしゅかん


画題

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解説

東洋画題綜覧

仏手柑は柑橘類の中で殊に異彩を放つもので果実の形態を仏の手に擬したのは極めて面白い、元来南清地方の原産で、福州、福建、河南地方には多く産し、日本には古く九州に渡来文人の愛翫するところとなつた、『仏指香』『仏爪香円』『花橘』などの異名があり、時に仏の文字を忌み、『武士柑』と附会して画く人もある。色調も熟すれば黄色となり、緑葉に映ずるさま蓋し清楚な感じである。

     題春琴仏手柑     頼山陽

枝端垂拳指半屈、数尽歴劫至今日、八万四千陀羅臂、何時化来為此者、結果一一証菩提、始信草木悉成仏、吾得一盆真随喜、長斎相対吟窓裏、時嗅妙香降酔魔、個中済度頼有此、吟海茫々迷津峰、何不慈悲為吾指。

南画家の好んで画く所、近く郷倉千靱の作に多い。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)