「道中双六」

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総合

 道中双六とは、絵が描かれた双六「絵双六」の一種である。日本での絵双六は浄土双六という仏教観の影響下に制作されたものから始まり、江戸中期以降は道中双六が主流となる。道中双六が人気を博した背景には、旅の一般化ががあると考えられている。双六には各地の名所旧跡・名物が絵や文字で記されており、各地の情報を得ることができるようになっている。このように旅のガイドブックの一面を持った道中双六で遊び、鑑賞することによって旅を疑似体験することができ、旅に出る人、旅に憧れる人など道中双六は多くの人々に受け入れられたのであろう。道中双六の構成は、振り出しより紙面上を渦巻状に中心の上がりを目指すものが多い。また、実際の旅の様子がルールとして採用されているので、東海道を題材にした双六では江戸を振り出しにして、京都を上がりに設定するものが多い。しかし、京都の版元のものは京都から江戸へ向かうものが多く、実際に旅に出るときの方向性を反映している。

 「伊賀越道中双六」という外題にも示されているように、この作品では鎌倉を振り出しとし、伊賀上野を上がりにした道中双六に沿うような形で話が展開されていく。


東海道五十三駅 風流道中双六
国輝〈2〉新板伊賀越一代記双六


(『道中双六』豊橋市二川宿本陣資料館、1998年7月)