麒麟

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きりん


画題

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解説

画題辞典

麒麟は神獣なり仁獣なり、聖人世に出づる時亦現わると称せらる。之を画き之を語りて瑞祥とせらるゝ所のものなリ。其身に麕の如く、其尾は牛の如く、蹄は馬に似たり、一角にして毛色五彩をなし、その腹独り黄色なりとす。

東照宮及徳川家霊屋の内殿の装飾に画かれたるもの知らる。東京帝室博物館に狩野常信筆龍麒麟鳳凰の三幅対あり、京都養源院に俵屋宗達画波に麒麟の襖あり、国宝なり。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

麟麟は四霊の一として支那では神獣と称せられ聖人世に現はるゝ時、其の姿を示すと称し瑞祥として絵画等にも多く現はる。

本綱、麟麟瑞獣、麇身牛尾馬蹄、五彩、腹下黄、高丈二、円蹄一角、角端有肉、音中鐘呂、行中規矩、遊必択地詳而後処不履生虫、不践生草不群居不呂行、不入陥穽、不罹羅網、王者至仁則出也。

三才図会云、毛虫三百六十、而麟麟為之長、牝曰麒牡曰麟、牡鳴曰遊聖、牝鳴曰帰和、春鳴曰扶幼、秋鳴曰養綏、王者好生悪殺則麟遊于野或之鱗有角麒相似而無角。

広博物志云、麟之青曰聳孤、赤曰炎駒、白曰索冥、黒曰角端、黄曰麒麟。

五雑俎云、鳳鳳麒麟皆無種而生、世不恒有、故為王者之瑞、竜雖神物然世常有之人窂得見耳。  (和漢三才図会)

今日麒麟と称するものは、アフリカ等に棲息する偶蹄類の哺乳動物ジラフのことである。

麒麟の画かれたもの少からず、左に二三を挙げる。

俵屋宗達筆   『麒麟杉戸』(国宝)     京都養源院蔵

狩野常信筆   『麟鳳竜三幅対』       東京帝室博物館蔵

尾形光琳筆   『麟鳳竜亀四幅対』      根津藤太郎氏蔵

狩野探幽筆   『中黄帝左右麟鳳図』     松方公爵家旧蔵

伝鳥羽覚猷筆  『鳥獣戯画巻』(国宝)の中  京都高山寺蔵

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)