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つゆ


画題

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解説

東洋画題綜覧

露は空気中の水分が温度の冷却に依り、液体となり、植物の枝や葉先などに凝りついて玉のやうになつた現象をいふので、それは地物の輻射によるものであるから、晴れた夜に最も多く曇つた夜は少く、又風が吹くとその為め空気が動くので、凝固して液体になるのを妨げられる、又、高い処に結ばず、低い処に結ぶのは、高い処のものは重くなつて地上に降るためである、日本に於ては十月が最も多く、各一月が最も少い、冬、これが少いのは、気温が氷点以下になつて、空気中の水気が凍結して霜となつてしまうからで、こゝに実体は同じでも、露と霜との区別がつくわけである。尤も霜になり切れず半ば水で居るやうな時もあり、これには落霜などといふ特別な名がつけられてゐる。  (天象と芸術)

九月ばかり夜一夜、降りあかしたる雨の今朝はやみて、朝日の花やかにさしたるに、前栽の菊の露こぼるゝばかりぬれかゝりたるもいとをかし、透垣、羅紋、薄などのうへにかいたる蜘蛛の巣のこぼれ残りて所々に糸も絶えざまに雨のかゝりたるが、白き玉を貫きたるさまなるこそ、いみじう哀にをかしけれ、すこし日たけぬれば、萩などのいとおもげなりつるに、露の落つるに、枝のうち動きて人も手ふれぬに、ふとかみざまへあがりたる、いみじうをかしといひたる、こと人の心地には、つゆをかしからじと思ふこそ又をかしけれ  (枕草子)

露を画題とした作品

川端竜子筆   『草露行』    第七回院展出品

堅山南風筆   『暁露』     第十五回院展出品

永田春水筆   『露のひぬま』  第十回文展出品

岸浪百草居筆  『露草霜条』   日本南画院展出品

板倉星光筆   『露』      第九回文展出品

中島春鴎筆   『露の朝』    第五回文展出品

中田紅畝筆   『朝露』     第二回帝展出品

中村春楊筆   『同』      第三回帝展出品

高木喜代子筆  『同』      第八回帝展出品

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)