「金魚」の版間の差分

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2021年12月7日 (火) 19:13時点における最新版

きんぎょ


画題

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解説

東洋画題綜覧

金魚は鯉科に属する魚で、の変種である、体の形態鮒に似てゐるが、尾の綾尾をなしてゐる点と色彩の紅色な処が異る、古来人の育養するところとなつて、大に愛玩せられ、飼養家が年々工夫を凝らして飼育した結果、種々の変種を生じ現今極めて多数に上るが、其の昔から知られてゐるのは左の四種である。

和金 此の種は鮒に最も近く体狭長で其色幼時は銅色であるが、成長するに従ひ漸次赤色又は赤白色の斑鮎を現はす、又尾鰭は裂けて三つ尾又四つ尾となる。

琉金 体短く且つ円く腹部ふくれ尾鰭は長くして垂れ其長さ体と同じくそれ以上のものもある、他の鰭も亦長い。

蘭鋳 体短く円く、腹部ふくれ初めは頭部も普通であるが、二三歳になると苺のやうな瘤起を生ずる、このやうな肉肬の生じたものを獅子頭と称へる、此の種は体形円く短く、腹部ふくれ且つ尾鰭が短い為めに殆んど遊泳することが出来ず、頭を下向にして倒に立つを常とする、これは此の種に背鰭の無い為めである。

和蘭獅子頭 体の形蘭鋳に似て頭上に苺のやうな瘤起を生じ体大きく、背鰭あり又尾鰭は長い、以上の外、出目金、出目蘭鋳、朱文錦、金襴子などゝ称へる種類がある。

金魚を画いた作

虚谷筆     『春波戯魚図』

渡辺崋山筆   『花鳥画冊』の中  説田鶴翁旧蔵

松島白虹筆   『金魚と少女』   第六回帝展出品

岩崎又次郎筆  『金魚池』     第五回帝展出品

森白甫筆    『金魚』      泰国日本美術展出品

永田春水筆   同         同

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)