都鳥廓白浪

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総合

みやこどりながれのしらなみ


通称「忍ぶの惣太」。安政1年(1854)年 河原崎座初演。

作者:河竹黙阿弥

謡曲「隅田川」などの梅若伝説を題材にしている。文政13年(1830)3月中村座で上演された「桜清水清玄」を書き替えたもの。

四代目中村歌右衛門のために二世勝俵蔵が書いた台本を元に、黙阿弥が小団次に宛てて下記名をしたものであるが、小団次が何度も注文を付け、上方出身の小団次にあうように、梅若殺しの場面にチョボを入れて割ぜりふにした。

これが小団次と黙阿弥の提携が始る契機となった。

松若が花子になり、男と女をしこなすところは、弁天小僧の元である。

梗概

<序幕 向島隅田堤の場>

吉田家の奥方班女の前と子の梅若丸が旧臣山田の六郎を頼ってくるが、捕手に追付かれ別れ別れになる。

梅若は、癪に苦しみながら、家の系図と二百両の金をもってさ迷う。

そこへ男達となって桜餅屋を営む忍ぶの惣太(吉田の旧臣山田の六郎)が通りかかり、梅若と気づかずに、金を貸してくれという。惣太は、主家吉田家のために今宵中に金を必要としているのだった。梅若が貸そうとしないので、手拭いで猿ぐつわをして奪おうとするが、惣太は鳥目で、あやまって首を絞めて殺してしまう。

<二幕目 向島惣太内の場>

惣太は植木屋、女房のお梶は桜餅屋を商う。吉田家の当主松若丸は、謀叛が顕れ、京都をはなれ、女装して吉原で花魁となり、花子と称している。惣太は、松若丸と知り身請けする。

花子の親元となっていた按摩丑市は、花子を連れてくる。

惣太が殺したのは、梅若丸でその奪った金も、都鳥の印を買戻す金であったことが判明。女房お梶は、自害して惣太の鳥目を治す。惣太は、男達十右衛門に励まされて、主家再興のため、花子の持っていった都鳥の印を取返しいく。

<三幕目 本所原庭按摩宿の場>

花子は、按摩の丑市を殺し、都鳥の印と系図とを取返し、吉田家再興がかなう。惣太は、松若丸にわざと斬られて梅若殺しのわびをする。