通小町

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かよいこまち


総合

・作者

「申楽談儀」に「四位の少将 観阿弥作」とあるのがこの能だから、作詞・作曲は観阿弥と考えられる。同書によれば、もと大和の唱導師が書いて金春権守が演じた能をもとにして、作り直したものという。なお、「五音」に「通小町」としてあげた前場のツレ謡に、作曲者名が記してないので、この部分は世阿弥作曲と考えてよいようで、観阿弥の原作に、世阿弥が多少手を加えたのが現在の形と考えられる。

・能柄

夢幻能①。痩男物の妄執物。四番目物

・素材

(一)いわゆる百夜通いの話(歌論議)

(二)小町の髑髏が歌をつぶやく話(江家次第・古事談)

・主題

少年(あるいは青年)の恋の烈しさ。生前は百夜通いの苦行をあえて果たして精根を尽くし、死後も相手の霊に追いすがってその成仏を妨げる。恋の相手は小町だが、現在の形ではその性格を強調してはいない。

〈出典:『謡曲集 上』(日本古典文学大系)横道萬里雄・表章 昭和35,12,5 岩波書店〉かよいこまち


画題

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解説

画題辞典

深草の少将が、小野小町の艶なろ容色を慕うて、百夜通いて心の誠顕わしぬということ。古く歌論義などにもあり、知られたる譚なり、謡曲に作られて更に世に広く知らる。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

深草の少将が小町の容色を慕ひ百夜通ひて心のたけを通はしたといふ物語、謡曲にも作られてゐる古名市原小町、又四位少将、元清の作。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)