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さい


画題

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解説

東洋画題綜覧

犀はに次ぐ大獣で、体躯肥え、全身厚い皮膚に掩はれ、毛乏しく頸短く、吻上に表皮の変形である角質繊維の大角があり、四肢太く各三趾あり、夜間出でて灌木や雑草等を食物とし、吻上の角は所謂犀角で、漢薬に用ひらる、印度産の一種は唯一角を有し、スマトラ産とアフリカ産とは前後に二角を有するが、此の二角の犀が敵の襲来を蒙る時は其の大きな角を以て其身を保護するが、一角犀は角よりは鋭い歯を以て敵に当るといふ、古来霊獣として崇められ、印度ではまた種々の芸を教へて愛育したといふ。

本綱、犀状似水牛、猪首大腹卑脚、其脚似象、有三蹄、黒色、舌上有刺皮上、毎一孔生三毛、如豕有山犀、水犀、兕犀三種、又有毛犀、似之。

山犀居山林、人多得之、水犀出入水中、最難得並有二角、一有鼻、一有額鼻角長而額角短、水犀皮有珠甲、(山犀皮無珠甲)兕犀(一名沙犀)即犀之牸者、止有一角、在項文理細膩斑白分明不可入薬、蓋牯角文大而牸角文細也、其紋如魚子形、謂之栗紋、紋中有眼謂之粟眼、黒中有黄花者、為正透、黄中有黒花者為倒透、花中復有花者為重透並名通犀、乃上品也、花如椒豆斑者次之、烏犀純黒無花者為下品。  (和漢三才図会)

犀はかく霊獣として尊崇されてゐた関係上、古代の文様に現はるゝこと多く、正倉院御物には平螺鈿背円鏡に双犀の彫刻あり、又、薬用に角の珍重せらるゝ所から、刀圭家など好んで此の犀の図を珍重する風があつた、故大岡育造氏の遺品中には、谷文晁の画いたものがあつた。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)