明代、漢の高祖・劉邦と楚の項羽の抗争を扱った通俗小説『西漢通俗演義』が発行された。日本ではこれを翻訳した『通俗漢楚軍談』(元禄八年、夢梅軒章峯・称好軒徽庵訳)が普及した。以下の①樊噌、②黄石公・張良がおもに画題とされるが、②は謡曲の影響が強い。国貞「漢楚軍談」は、出陳のほか四図を描く。
(『浮世絵大武者絵展』図録)