海棠

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かいどう


画題

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解説

東洋画題綜覧

海棠は薔薇科の植物で高さは約一丈ほどになり、葉は楕円形で赤味を帯び、春さき長い花梗を出して紅を帯びた美花を開く、五弁が普通なのであるが、かなり不規則で、五弁もあれば六弁もあり、従つて雄蕊の数なども不規則である、併し花梗が長いために、花が垂れて羞らふやうな姿は清艶を極めてゐる、元来支那から渡来したものではあるが、日本にも九州鹿児島県姶良郡牧園村と宮崎県西諸県郡加久藤村のニケ所に海棠の自生地がある、だが流石に支那には多い為め、いろ/\の名がある、蜀容、西府紫錦客、命婦花、戚里、富貴花、花中神仙、川紅など、又、『名花十友』の中に撰まれて『名友』と呼ばれ、楊貴妃の故事から(後に記す海棠之睡)『睡客』とも称へられてゐる。種類も数種あつて垂糸海棠、受咲海棠、深山海棠、棠梨、貼翰海棠、二葉海棠、黄海棠、杜子美海棠などが挙げられる。

海棠を描いた名作

椿椿山筆   『海棠小禽』  波多野古渓氏旧蔵

日根対山筆  『海棠双鴨』  山内香雪斎氏旧蔵

円山応挙筆  『海棠孔雀』  近江浅見家旧蔵

森徹山筆   『海棠孔雀』  細川護立侯蔵

呉昌碩筆   『海棠図』   河井仙郎氏蔵

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)