吉祥天

提供: ArtWiki
2021年12月7日 (火) 19:35時点におけるWikiSysop (トーク | 投稿記録)による版
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
ナビゲーションに移動 検索に移動

きちじょうてん


画題

画像(Open)


解説

画題辞典

仏典に女相の仏の名にて吉祥功徳女ともいう。福徳を司る天女にて衆生に功徳を授くという。美の権化なり、共形相は左手に如意珠を執り、右手は与願の印を結びて施無畏を為す。天平時代に於て此天女を信仰して福徳を祷る風最も盛なり、大和国薬師寺所蔵の画像は聖武天皇時代のものにして、高貴の肖像なりという、珍貴の国宝なり。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

吉祥は梵語シリーの訳、或は功徳、吉祥功徳とも訳す、もと婆羅門の神であつたが、仏教に取り入れたもの、父は徳叉迦、母は鬼子母、毘沙門天王の妹で、威徳成就して衆生に大功徳を与へる天女なるが故に『金光明経』には第一威徳成就衆事大功徳天といふ、過去、金山照明如来の許にあつて諸々の善根を植ゑ、為めに福報を得てその相貌殊勝、常に最勝園に居るといふ、形像多くは相貌端正、天衣宝冠を着け、左手に如意珠を捧げてゐる。  (仏教辞林)

吉祥天を描いたものとしては奈良薬師寺の画像最も名高く、聖武天皇時代の作といふ、国宝に指定されてゐる。近くは山田敬中筆(第十回帝展出品)がある。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)