南天

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なんてん


画題

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解説

画題辞典

南天は南天燭の略称なり、冬日万樹凋落後に於て霜雪の間にその実紅熟し、累々たる朶を垂るゝこと恰も珊瑚を点綴せるが如きものあり、頗る雅致に富み、清賞に値するが上に、南天の音「難転」に通じ難を転じて福となすの意に用いられ、花鳥画家の好んで画き、人の喜んで迎ふる所たり、例甚だ多し。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

南天は漢名南天燭、雨天竹、惟那木、男犢、猴菽草、手筋、鳥飯草、染菽、墨飯草、蘭天などといふ、小蘗科に属する灌木で、我が国では南方に自生し、支那にも分布す、東洋固有の植物で茎の高さ四五尺、葉は羽状複葉であるが、先の方は三枝づつ出るやうになつてゐる、葉の大さ一寸位、鋸歯なく尖端鋭い、花は初夏の頃、梢上に円錐形の穂状に開く、白色五弁である、冬に至つて結実する、紅果と白果、また稀に紫色のものがある。これを紫南天と呼ぶ、種類では錦糸南天、栗本南天、渦葉南天、布袋南天などといふのがある。

花鳥画の好画材で古来画かるゝものも少くない。

徽宗皇帝筆  『南天小雀』  碧川氏所蔵

惲南田筆   『南天』    支那蔡実庵氏所蔵

椿椿山筆   『天燭小禽』

荒木十畝筆  『軽寒』    読画堂所蔵

川端竜子筆  『南天襖絵』  望月軍四郎氏蔵

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)