勝絵

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かちえ


画題

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解説

画題辞典

勝絵は鳥羽僧正の絵、醍醐成賢僧正の詞書に成る、陽物くらべの巻及屁合戦の巻の二巻なり。伝に拠るに円融院上皇御悩あり、憂欝の症にて神仏の祈願も効なかりしかば、僧正霊筆を呵してこの戯画を画き叡覧に供したるに抱腹絶倒遊ばされて御平癒ありたりという。即ち勝絵の名は院より下し賜わる所となす云々。両巻とも軽快の筆に人心の機微を穿ちて挙止表情の妙を極め滑稽諧謔の真諦を得て而も猥陋醜怪のことなし、

もと京都東寺金勝院の所蔵なりしも今所伝明かならず、唯模本を各処に伝ふるのみ。戯画の逸品と推すべきなり。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

鳥羽僧正覚猷の筆と伝へらるゝ二巻の絵巻で一巻は放屁の巻、一巻は陽物くらべである、素画きの絵で人物鳥獣生々活動の趣きを写して筆致洒脱軽妙を極めてゐる、勝絵の名は、亀山院の皇后絵合せの時、勝つた方の画に名づけられたものといふ、然し今伝はるもの原本でなく模しである。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)