万歳

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まんざい


画題

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解説

画題辞典

万茂は、江戸時代に於て、毎年春正月、将軍家大小名より下李民に至るまで各戸家々に末り、天下泰平の祝辞を述べ續いて扇拍子面白く舞を奏するものにして、大紋素抱烏帽子着し、歳造なる脇師を件ふ、関西にては大和美濃等より出づるを以て大和万歳美濃万歳といひ、関東にては三河より出づるものを迎ふるを規として之を三河万歳といふ、春の景物の第一に数へらるゝものとて、絵に描かるゝことも亦甚だ多し、東京帝室博物館に西川祐信宮川長春の筆に成るものあり、又浮世絵の美人画に女万歳なるものもあり。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

年の初に風折烏帽子に大紋の直垂を着て、貴賎の家に至り、腰鼓を撃ち、屋舎造営の祝言を歌ひ歩くものゝ称、関東に来るものは三河国より出るので三河万歳といひ、京都へ出るものは大和から出るので大和万歳といふ、三河万歳は江戸開府から出府し祝言をつとめた、その万歳の太夫の脇なる雑伎をつとめるものを才蔵といふ、千歳の訛であらうといふ、大和万歳は大和国窪田箸尾両村から出る。  (大言海)

万歳のこと、京大阪へは大和よリ来る、故に大和万歳といふ、尤も三河万歳とは風俗も変り、うたひものも異也、和州の万歳は太夫才蔵共に侍烏帽子素袍やうのものを着す。  (一語一言)

万歳は初春風俗として種々の形で浮世絵などに画かれる。

百川長喜筆  『座敷万歳』

歌川豊国筆  『相生色万歳』

川又常行筆  『子供万歳』

宮川長春筆  『女万歳』    ビゲロー氏旧蔵

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)