一月三舟

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いちげつさんしゅう


画題

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解説

画題辞典

一月三舟は名数画題の一なり。もと仏教の教理に出づ、月下三舟あり、一は停まり、 一は南行し、一は北行す。南行する舟は月南に随ひ来るとなす、北行する舟は月北に随ひ来るとなす、停まれる舟は月移転せずとなす。如来の智慧は周く照らす所なるも、衆生の縁によりて見仏の不同あるを喩えたるものなり。南画に之を描くもの多し。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

月下に三舟あり、一は停まり、一は南行し、一は北するを画く、人に依つて見方の異るの意、『大蔵法数』に曰く

澄江一月、三舟共観、一舟停住、二舟向南北行、向南者見月随南、向北者見月随北、停舟者見月不移、蓋譬如来智無不周、体無不在、無依無住、無去無来、皆由衆生縁有生熟故、見如来有去住相、法身之体、本無去住也、一月喩仏、三舟喩世間衆生見仏不同是名一月三舟喩也。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)