薫風
くんぷう
画題
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解説
東洋画題綜覧
中夏、季夏の晴れた日東南から吹いて来る強くない風のこと、繁茂した草木を渡つて、緑の夏の匂ふ心地のするもの、風薫るともいふ。
何謂八風、東南曰薫風。 (呂氏春秋)
南風之薫兮、可以解吾民之愠兮。 (史記五帝記)
夏風未嘗香也、而称南風之薫、亦形容之辞、極言其爽快也。 (夜航詩話)
風薫る羽織は襟もつくろはず 芭蕉
薫風やよもぎ匂ひの鎧ぬぐ 蕪村
薫風の題名を以て画いた近作左の通り
武田鼓葉筆 『風薫る』 第十回帝展出品
吉岡堅二筆 『薫風』 同
田中蘭谷筆 『同』 第十一回帝展出品
長野草風筆 『古城薫風』 第十三回院展出品
石山大柏筆 『薫風』 第廿一回院展出品
水上泰生筆 個人展覧会出品
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)