胡蝶花
ナビゲーションに移動
検索に移動
こちょうか
画題
画像(Open)
解説
東洋画題綜覧
鳶尾科の植物、姫著莪の別名である、著莪は陰地に生ずる多年生の草木で、茎の高さ一二尺に達し、葉は剣葉で深緑色、花は白くして中に紫と黄の紋があり美しい、花期は五月頃である、花鳥画の画材として画かるゝもの多い。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)
漢名著莪、鳶尾科の植物で、花菖蒲や燕子花と同じ科の多年生草本、山の陰地などに自生するが、庭園にも栽ゑられる、茎の高さ一二尺に達し、初夏の候美しい色彩を添へる、花は花蓋六片で三片は大きく、三片はやゝ小さく上に向ひ、そしてその縁辺には毛のやうに細かい鋸歯がある、弁の色は白色で、紫色の隈があり、中心は黄色を呈す、所によると家根の上に栽ゑて風情を添へてゐる。
筍にくゝり添へたり著莪の花 几菫
墓所の水落つる小溝や著莪の花 碧梧桐
この花の描かれた作に左の諸点がある。
筆者不詳 宋画『草花図』 石崎光瑶氏蔵
横山大観筆 『著莪』 望月軍四郎氏蔵
湯原柳畝筆 『霊花燿光』 第八回帝展出品
岩壁貞子筆 『著莪咲く頃』 第十一回帝展出品
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)