石榴
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せきりゅう
画題
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解説
東洋画題綜覧
漢名安石榴、俗に柘榴に作り、『ざくろ』と呼ぶ、石榴科の落葉喬木で初夏の候深紅色又は淡紅色、白色等種々の美しい花を開き秋に至つて結実する、果は不規則に裂けて中より宝玉の如き多数の種子を表はす、種子はまた紅色或は白色の肉質に包まれ極めて美しい、葉は対生、花は普通六弁であるが重弁もあり萼は胆大して六裂する、此の植物、伝へ言ふ漢の元狩元年、孝武帝の時、博望侯張騫西域匈奴に使し、帰途塗林安石国を過ぐ、折柄此の花盛に咲いてゐたので、土人に名を間へば安石榴花といふ、乃ち此の種子を齎らし帰つたのが東方に伝へらるゝに至つたもので、石榴は其の安石榴花の略であると、別名雅名には、富陽榴、海榴、黄榴、河陰榴、四季榴、餅子榴、番花榴(以上『群芳譜』所載)などがある、花も実も美しいので、古来よく描かる。
荒木十畝筆 『秋夕』 第四回帝展出品
福田平八郎筆 『安石榴』 第二回帝展出品
堂本印象筆 『石榴』 同
堅山南風筆 『同』 第九回院展出品
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)